幼なじみの吸血鬼くんが本気を出したら。
玲音は静くんの言う通り、拗ねていた。

「そんなに山崎に会いたいの?」

「だって、行けないかもって言ってたし」

「あっそ」

あ、さらに拗ねた。

「あのね、私は玲音以外の人を好きにならないから安心してよ。玲音のことで頭いっぱいなんだからね」

玲音は露骨に嬉しそうな顔をした。

もう、分かりやすいんだから。

「それならいいけど?」

「相変わらず、いちゃついてんな」

魔王の正装で来てくれた大雅くんはやっぱりカッコよかった。

「似合うね!」

「ありがと………でも、夫が怒ってっぞ」

わ!玲音!!

「大丈夫、玲音は宇宙一カッコいいから」

そう言った途端、笑顔になった。

「ほんと、単純なやつ」
< 325 / 328 >

この作品をシェア

pagetop