幼なじみの吸血鬼くんが本気を出したら。
私は塾に行かないと授業についていけない。

今もギリギリ、デビルズクローにいるわけで余裕ではない。

玲音とは違って私は頭良くないから。

「あ、りりさん」

(せい)くん。こんばんわ」

五鬼継晴(ごきつぐせい)くんは宮司をしている同級生で塾の友達だ。

「こんばんわ。今日は少し早く来たんだね」

「塾の近くに引っ越したから早く着いちゃったんだ」

モンスターばかりの学校に人間はほぼいない。

だから、晴くんは唯一の人間の友達だ。

「一人暮らし?」

「そんなところかな」

幼なじみの男と暮らしてるなんて絶対に言えない。
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