幼なじみの吸血鬼くんが本気を出したら。
「遅いし、送ってくよ」

「いいよ。迷惑だし、近いから一人で帰れるよ」

「気にしないで好きでやってるから」

「それなら、お言葉に甘えて」

話しながら塾の階段を下りた。

ドアを開けると、塾の玄関の前に玲音がいた。

「玲音、どうしたの?」

「お前が遅いから迎えに来たんだよ。それより、誰だよそいつ」

玲音が迎えに来てくれたらしい。

でも、機嫌が悪いようだった。

「友達の晴くんだよ」

「それにしては結構親しそうじゃん」

「そりゃそうだよ。何年一緒だと思ってるの?」

「俺たちの方が一緒にいる時間長いけど?」

確かにそうだけど、なんで怒ってるの?

「君はりりさんの何?」

「幼なじみだけど」

「りりさんを困らせないでくれる?友達代表としてこれだけは言っとくよ」

「部外者に言われなくても困らせねぇつーの」

困ってますけど!

でも、なんで二人はバチバチしてるの?
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