幼なじみの吸血鬼くんが本気を出したら。
大体、目覚めたらベッドで寝ている。

玲音はもちろんいない。

玲音は私を気遣って、リビングにいる。

私がリビングに降りると玲音は

「大丈夫?」

と聞いてくる。

そんなこと聞かなくてもいいのに。

私なんかより玲音の方が心配なの。

だから、遠慮なく吸ってくれればいいのに。

「大丈夫だよ」

「いつもありがとう」

玲音は頭を撫でてくれる。

玲音の手は温かくて安心する。

でも、私は分かってる。

玲音が明るい笑顔を向けてくるときは嘘をついていることぐらい。

本当はもっと吸いたいんでしょ?

そうは思うものの自分の身体の負担も分かっていた。

だから、臆病な私は言えなかった。
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