幼なじみの吸血鬼くんが本気を出したら。
「玲音様、今日も素敵ね」
「さすが次期生徒会長!!」

いつものようにそんな声が聞こえる。

俺はそんな偉いやつじゃないのに。

「ねぇ、玲音。やっぱり別々に登校しない?恥ずかしいよ」

別々に登校だと?

りりは俺のものっていうのを他の奴らに見せつけないと良からぬ男が寄ってくるだろ!

だって、こんなに可愛いんだぞ?

俺も早く覚悟を決めなきゃな。

「あ、玲音。今日は一緒に帰れないから」

「はあ!?」

塾の次はなんだ?

「生徒会があって」

りりは生徒会役員であるために、やることが多い。

でも、だからと言って、なんで俺と帰れないんだよ!

「どうしても無理か?」

「………遅くなってもいいなら待ってて。早く終わらせるから」

「おう」
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