幼なじみの吸血鬼くんが本気を出したら。
学校へ行くと玲音といるため注目される。

エリート一家の子どもということもあるけど、やっぱりカッコいいから目立ってしまう。

私は玲音の隣を歩くのがちょっぴり恥ずかしい。

「りりは堂々としてて。何があっても俺が守るから」

「……ありがと?」

玲音の言っていることがよく分からない時がある。

「おはようございます。入井(いりい)様。お手荷物をお持ちします」

そう言うのは玲音の側近の吾田冴月(あがたさつき)くんだ。

吾田家もまたエリートで、代々入井家の側近をしている。

「俺のことは名前で呼べって言ってるだろ?それに様はやめろ」

「御意」

「荷物は持たなくていいから、俺とりりを二人っきりにさせてくんない?」

「御意」

んん?

今、とんでもないことが聞こえたような……。

「さ、行くよ」

玲音はいたずらな笑みを浮かべて私の腕を引っ張って行った。
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