幼なじみの吸血鬼くんが本気を出したら。
見とれてる俺とは反対にりりは時計を見て呟いていた。

「どうしたんだよ」

「塾の時間が過ぎてるなと思って……」

「休めよ。てか、辞めろ」

「嫌だよ!」

なんでだよ。

塾であの聖とかいう奴に会いたいわけ?

とにかく、俺以外の男と話して欲しくないんだけど。

俺、ヤキモチ妬きだから。

多分、りりへの独占欲が強すぎてどうしようもない奴だからさ。

「授業ついてけなくなるもん……」

「俺が教えるだろ?」

「だって、玲音に負担かけたくないし。それに……これ以上一緒に居ると心臓が持たないもん」

少し頬を紅く染めて言うのがまた好きでキュンとした。
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