幼なじみの吸血鬼くんが本気を出したら。
「何?どうかした?」

りりの返事は呆気なかった。

「ったく、心配するだろ」

「なんで?」

「長かったから倒れてないか心配したんだよ!」

こんなことまで言わせんな、バカ。

「大丈夫だよ。ちょっと歌いすぎてて」

「あっそ。それなら良いけど、ほどほどにな」

「うん」

俺は部屋に戻るとベッドに飛び込んだ。

心配させやがって。

でも、何もなくて良かった。
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