幼なじみの吸血鬼くんが本気を出したら。
屋上に行って、結構な時間が経つ。

まだ、りりは来ていないようだ。

やっぱり嵌められたんじゃ……。

その時、階段から足音がした。

りりが来たのか?

ドアが開き、足音の主が現れた。

それは麗華だった。

「お前、どうしてここに………」

「私が呼んだの。静を利用して」

「てことは静とグルなのか?」

「ええ。静には香月さんの始末をしてもらってるわ」

俺は麗華を壁に押し付けた。

「お前……。りりに何する気だ」

「私は知らないわよ。だって、静がやりたいようにしてって言ったんだから」

俺がこっちを優先したばかりにりりは今……。

ダメだ。

そんな事を考えるな。

りりなら大丈夫。

俺はそう信じるから。

俺は押し付けていた力を緩め、食堂へ行こうとした。

麗華は俺のシャツを思いっきり引っ張った。

「何にすんだよ。離せよ」

「私にキスして」

「は?」

「そしたらもう危害は加えないから」
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