幼なじみの吸血鬼くんが本気を出したら。
蓮常寺くんは人目のつかないところに私を連れていき、肩を掴んできた。

「離して下さい……!」

「だから、俺の食料だって言ってるじゃん?」

蓮常寺くんは私の首を指でなぞった。

「ひゃっ………」

「へぇ。首元弱いんだ。これなら玲音も喜ぶよね」

この人、何?

何がしたいの?

「あ、俺も玲音と同じ吸血鬼なんだ。でも、俺は色んな女の子の血を飲んでるんだ」

嫌っ!!

私は玲音以外の吸血鬼に血を吸われたことがない。

これからも絶対無い。

なのに、こんな形で吸われそうになるなんて。
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