幼なじみの吸血鬼くんが本気を出したら。
「おいっ!!」

玲音が来て、私と蓮常寺くんを引き離した。

私は力が抜けて床に座り込んだ。

「玲、音………」

蓮常寺くんが怖かった。

吸血鬼がこんなにも怖いなんて感じたことなかった。

「静っ!お前、自分が何したか分かってんのか!?」

玲音は蓮常寺くんの胸ぐらを掴み、怒鳴っている。

「え?麗華の作戦に乗ったんだよ。ただそれだけなのに何で玲音が怒ってるの?もう、りりちゃんは俺の食料なんだから」

「りりは俺のもんでお前の食料じゃない。りりのことは誰にも渡せねぇ」

玲音がこんなに怒るなんて。

でもこれは『食料』を守るだけの言葉だもんね。

「でもさ、りりちゃんは俺と契約したんだよ?だから、無理だね」

え?

契約??
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