幼なじみの吸血鬼くんが本気を出したら。
その瞬間、私に重りがのし掛かった。

頭を殴られたような悲しみも襲う。

こんなにも悲しいんだ。

私は玲音に必要とされてない。

ただそれだけ。

涙がブワッと溢れだしそうだった。

玲音には見られたくなくて走り出した。

「りり!」

玲音が止めるのもお構い無し。

洋館に帰って泣こう。

固く決意した。

だから私は玲音の方は向かなかった。
< 68 / 328 >

この作品をシェア

pagetop