幼なじみの吸血鬼くんが本気を出したら。
もやもやが募ったまま洋館へ帰った。

「おかえり」

「……た、ただいま」

玲音は怒っているようだった。

いつもの優しいオーラは無く、ピリピリしていた。

「お前、静や麗華と居たらしいじゃん」

ギクッ。

「やだな。変な冗談やめてよ」

「生憎だが、冴月から連絡が来たんだ。証拠の写真もあるけど見る?」

「…………ごめんなさい」

「お前なぁ、俺がどれだけ心配してるか分かってんの?」

分かってるけど仕方なかったんだよ。

「ごめんね」

「じゃ、その罪償えよ」

玲音は私の首元を噛んだ。
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