幼なじみの吸血鬼くんが本気を出したら。
よし、このまま塾に行こう。

今日は塾が無い日だけど、自習ということで。

「りり、どこ行くんだよ」

バタン。

洋館の扉を思いっきり閉めた。

あんな奴知らない!

私はズカズカ歩いた。

「あれ?りりさん、今日は塾がないのにどうしたの?」

塾の近くで晴くんに会った。

「……晴くん」

「目が腫れてるね。もしかして泣いてた?悩みなら聞くよ」

晴くんの優しさが心に染みた。

「晴くん……!あのね」

ポロポロ泣き出してしまった。

「え?りりさん?取りあえず座ろうか」

晴くんは泣き出した私を近くの公園まで連れていってくれた。
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