幼なじみの吸血鬼くんが本気を出したら。
「玲音」

俺がぼーっとしていたら、りりが教室まで訪ねてきた。

「お前から来るなんて珍しいよな」

「遊園地のこと話したくて」

「あ、そう」

「ちょっと!真剣に考えてよっ」

りりはいつもの調子で話してくる。

俺、普通に話せてるだろうか。

さっきまでの考えが頭をよぎって会話に集中出来ていなかった。

「魁李でよかった?」

「別にいいよ」

俺はりりを守るために行くだけだし。

「それだけ。ありがとね」

「おう」

あいつ、遊園地が相当楽しみなんだろうな。
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