キス時々恋心
うまく言葉に出来ない。
それが、彼のイラつきをさらに高めていた。
そして突如、下書き用の鉛筆を手に取って白紙のキャンバスに無造作な線を書き殴った。
腕が疲れるまで続ける。
真っ黒に塗りつぶされたキャンバス。
それは、雪次郎の心の中そのものだった。
「初音さんの事は俺が勝手に好きなだけ。だから、別にとやかく言う資格なんて無い。無いんだけど……俺、どうしていいか分からなくて」
雪次郎から溢れ出す悲痛の叫び。
苦しい、辛い、それくらいは初音にだって分かった。
しかし、理由がどうしても分からない。
彼の事を理解しきれていない自分を情けないと思いながらも、初音は「なんの事?」と尋ねずにはいられなかった。
雪次郎は再び黙り込んでしまう。
やっぱり教えてなんてくれないか――…
初音が諦めかけたその時、彼の口が小さく開く。
それが、彼のイラつきをさらに高めていた。
そして突如、下書き用の鉛筆を手に取って白紙のキャンバスに無造作な線を書き殴った。
腕が疲れるまで続ける。
真っ黒に塗りつぶされたキャンバス。
それは、雪次郎の心の中そのものだった。
「初音さんの事は俺が勝手に好きなだけ。だから、別にとやかく言う資格なんて無い。無いんだけど……俺、どうしていいか分からなくて」
雪次郎から溢れ出す悲痛の叫び。
苦しい、辛い、それくらいは初音にだって分かった。
しかし、理由がどうしても分からない。
彼の事を理解しきれていない自分を情けないと思いながらも、初音は「なんの事?」と尋ねずにはいられなかった。
雪次郎は再び黙り込んでしまう。
やっぱり教えてなんてくれないか――…
初音が諦めかけたその時、彼の口が小さく開く。