キス時々恋心
真面目な話をしていたのにも関わらず不謹慎だと自分でも感じて、初音は「……ごめん」と謝罪する。それでも、顔はちょっと半笑いだ。
「じゃあ、私に何か出来ることある?ユキの為にできる事……」
初音に言えるのはもうこれくらいの事しかなかった。
このままでは雪次郎の足枷にしかならないと初音は思った。
彼がどれだけ気にするなと言ってくれたとして、そんなのは耐えられない。
雪次郎は少しの間考えた後、初音の柔らかな太ももに頭を預けてコロンと寝転んだ。
「時々、こうして膝をかして?俺の傍にいて。キスして。抱きしめさせて……」
彼の願いは単純明快。
雪次郎は続ける。
「初音さんがいれば、俺は絶対に大丈夫だから」
そう言って、雪次郎はニカッと無邪気に笑った。
不意に見せる笑顔が可愛くて、甘えてくる仕草が愛おしくてたまらない。
初音はそんな彼の唇にもう一度キスを落とした。