雨がふったからそれで
「春だね〜〜」

桜の花びらが舞い落ちる道を歩きながら
親友のリリに話しかけた。

「そうだね、」

と、棒読みの返事をしながらスカートを折るのに忙しい彼女を見て


「やりすぎでしょっ!」

と笑いながら自分もスカートを短くしていると


「スズと同じクラスだといいなぁ、」

急にリリがそう呟いて、
少し寂しい気持ちになった。

今まで当たり前のように横にいた友達とも
一緒に過ごせる最後の年。

「まぁ、思い出いっぱいつくってこね!」

笑顔でそう答えた直後に、
遠くからチャイムの音が聞こえてきた。

「「やっばぁ!?」」

と2人で顔を見合わせて焦りつつも笑いながら
学校に向かって走りだした。

あたし、相河スズ 14歳 
今年で最後の中学生活、
なかなか楽しく過ごせそうな予感。
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