愛しい人〜二人を繋ぐリング〜【下】
「伊加?…なんで伊加なんですか?」
「だって付き合ってるんですよね?」
俺の袖を掴みながら尋ねてくる彼女。
俺は、瀬戸先生を見下ろして
「なんで瀬戸先生が知ってるんですか?」
「私…見たの…千野先生と伊加さんが…キスしてたとこ。。」
瀬戸先生は、俺の袖から手を放して今度は俺の腕に絡みついた。。
……困るんだよなぁ。。
こーゆうの。。
「…そうですか…。。」
「なんで伊加さんなの?私のどこがいけない?」
私のどこがいけない?って……そんなこと聞かれても分かるわけねぇだろ?
「…瀬戸先生は、何がしたいんですか?好きでもない俺にそこまで…「好きよ。」
俺の言葉を遮って瀬戸先生は、俺に真っ直ぐな瞳を向けて言った。
「好きじゃなかったら…毎日話しかけて、毎日千野先生の背中なんて見てないわ。。」
…本気なのか?
その瞳を俺は、信じていいのか??
「ねぇ、知ってます?」