愛しい人〜二人を繋ぐリング〜【下】
涙のキス…
―奈菜―
「俺…本当にお前が好きだから…」
佐賀原くんの純粋な瞳…
あたしは、この言葉を信じていいのかな?
「佐賀原くん…本当のこと言って?」
でも、あたしの口はまだ疑っていた…
ありがたいことなのに…どうしてこんな複雑な気持ちになるの??
「本当のこと?何だよそれ…」
佐賀原くんは、あたしの目を見ないでそう言った。
「とぼけないで!瀬戸先生に…何か言われたんじゃないの?!」
あたしは、佐賀原くんの両腕を両手で掴んだ。。
「……何でそんなに瀬戸先生を嫌う?…疑う?」
佐賀原くんは、切ない瞳をしてあたしにそう訴えた。
「えっ?」
「俺、ちゃんとお前が好きだ!…でも、先生も…好きなんだ…」
瀬戸先生が好き―…?
それって……
「…どういうこと?」