愛しい人〜二人を繋ぐリング〜【下】
「離して。」
「いやだ。」
先生の低い声があたしの耳元で聞こえた。
「なんで怒ってんの?」
「自分で考えればいいでしょ?」
グイ
あたしは、名一杯力を込めて先生の胸あたりを押した。
「…分かんないから聞いてるんだよ。」
先生は、見たこともないような怖い顔つきであたしを見た。
「絶対言わない。」
あたしは、先生から目を反らした。。
すると一人の男子が近付いて来た…
「あれ〜?先生…それに伊加??」
声をかけて来たのは、あたしと同じクラスの……確か、佐賀原滝くん。。
とてもヤバイ状況…
「おぉ。佐賀原…なんで此処にいんの?」
先生は、何もなかったかのような顔つきで佐賀原くんに話しかけた。。
「遊びに来たんすよ♪…先生達は?」
「さっき此処で偶然会ったんだよ。たまたま。」
グサリ
先生のその言葉がまるで矢のようにあたしの心に突き刺さった。