夫婦蜜夜〜エリート外科医の溺愛は揺るがない〜
まさかそこで一目惚れされたなんて、もっと驚いた。
『これからは忘れられないくらい、身も心も俺でいっぱいになるように刻みこんでやるから』
そのあとそう言われて、彼は顔を赤くした私の頬に優しくキスをした。そのあとは寝室で優しく抱かれ……。
ああ、思い出すと顔が火照る。あのときの新さんは言葉で言い表わせないほどの色気を放って、ものすごく男らしかった。
「なにを考えているんだ?」
その声にギクリとして現実に戻る。
すべてお見通しだというような見透かした視線。口角の上がった口元は、あの日と同じように妖艶な雰囲気を醸しだしている。
「これからもたっぷり愛してやるから」
「い、意地悪!」
「そんな男は嫌いか?」
うっ、私がなにも言えなくなるのを知っていてわざとだ。
「嫌じゃ、ないです。そんなところも好きです」
「奇遇だな。俺もどんな桃子でも愛せる自信がある」
ああ、この人には敵わない。
きっと、これからもずっと、永遠に。
私はずっと惑わされ続けるのだろう。
でもそんな人生も悪くない。
そんな日々が続きますようにと考えている私がいるから。
「これからもずっと俺に独占されていろ」
耳元で囁かれて、私は小さく頷いた。