夫婦蜜夜〜エリート外科医の溺愛は揺るがない〜
「んっ」
まどろみの中、唇になにかがあてがわれる感覚がした。離れてはくっつきを繰り返し、ねっとりと激しくなっていく。
徐々に頭が覚醒してくると、さすがになにかがおかしいと思い目を開いた。
「!?」
分厚いカーテンが開き、太陽の光がさんさんと降り注いでいる室内。目の前にはドアップの海堂先生の端整な顔があり、寝起きで一気に目が冴えた。
もしかしなくても、今、キスされた?
唇にはさっきの感触がしっかりと残っている。
「おはよう」
悪びれる様子もなく、至って冷静な海堂先生。
「おはよう、ございます」
ベッドの上で、しかもこんなに至近距離で向かい合っているのがものすごく恥ずかしい。
目をそらそうとすると海堂先生はそこに肘をついて、身体をこちらに向けた。斜め上から見上げても、男らしくキリッとしていてカッコいい。
「よく眠れたか?」
「はい、おかげさまで」
「なら、今日は出かけるぞ」
「え?」
聞くところによると、海堂先生のマンションには調理器具の類いや食器、家電など足りないものがたくさんあるとのことだった。
今日朝食のあとにそれを探しに行くというのだ。
「ネットで揃えようと思ったんだが、どんなものがいいかわからなくてな」
「ダメですよ、実際目で見て買わなきゃ」
「桃子ならそう言うと思ったよ」