夫婦蜜夜〜エリート外科医の溺愛は揺るがない〜

配送をお願いしたので荷物はそんなに多くなく、そのあと家電製品を見つくろい、いざ海堂先生のマンションへ。

「こ、ここですか?」

どこからどう見ても高級なタワーマンションで、予想だにしていなかった私は驚いて目を見開く。

「普通のマンションだ。気に入らなければ、引き払ってもいい」

「いえいえ! 気に入らないなんて、そんな!」

ロビーにはスーツ姿のコンシェルジュがいて、マンションの中には図書ルームやキッズルーム、屋上階には温泉スパやレストランなんかも完備されている。

す、すごい、すごすぎる。やはり住む世界がちがう。

私、大丈夫かな。これからうまくやっていける?

エレベーターに乗り、階数のボタンが押され私はさらに固まった。

「さ、最上階……?」

ウソでしょ、まさか。

「高所恐怖症か?」

突拍子のない質問が飛んでくる。

「いえ……」

「なら問題ないな」

やっぱり、最上階なんだ……。

建物はまだ真新しく、そんなに年数が経っていないのかきれいだ。居住スペースの上に温泉スパとレストランがあり、どうやら遅くまでやっているらしかった。

居住スペースの最上階に着くと、エレベーターのドアが開いた。

「うわあ」

一面に真っ赤な絨毯が敷き詰められ、高級ホテルを想起させるような空間が広がっていた。

「おりるぞ」

キョロキョロと落ち着かない私の手を引いて、海堂先生は歩き出す。

最新型のカードキーで部屋のロックを解除すると、シューズクローゼットつきの広い玄関が現れた。

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