夫婦蜜夜〜エリート外科医の溺愛は揺るがない〜
さらにはテレビモニター付きの最新型。
「どれだけすごいのよ」
思わず文句が出た。まざまざと格のちがいを見せつけられ、私なんかが彼の隣にいていいものなのかと思わされる。
どうして私だったんだろう。木下先生との方がお似合いなのに。ってやだ、私ってば。また考えてる。それにモヤッとした気持ちもなくならない。
「やだやだ」
熱めのシャワーを頭からかぶり、吹っ切るように頭を洗った。ダンボール箱をひっくり返して探し出したお気に入りのシャンプーは、今日も極上の癒しを与えてくれる。
つるつるサラサラになるのと、このスッキリするような柑橘系の香りがたまらない。
ボディソープに洗顔まで同じラインで揃えているほど気に入っている。
髪の毛を乾かし終えると、同じくダンボール箱の中から引っ張り出した新品のルームウェアに袖を通した。パステルカラーのモコモコした肌触りのルームウェアだ。
さすがに実家でパジャマ代わりにしていたボロジャージを、新さんの前で着る勇気はない。
「出たのか」
「はい、ありがとうございました」
「座れよ」
少し距離を取りながら、言われた通りソファの端っこに腰かける。
目の前にはミネラルウォーターのペットボトルが未開封のまま置かれていた。
「適当に飲んでくれ。俺も浴びてくる」
新さんはよく気が利く。さり気ない優しさがうれしくて、胸の奥底がジワッと熱くなった。