夫婦蜜夜〜エリート外科医の溺愛は揺るがない〜
モヤモヤ
朝、目覚めると自分の部屋ではない光景が目について戸惑った。
そういえば私、昨日から新さんのマンションにいるんだ。すぐにそう思い直して、のっそりとベッドから起き上がる。
スマホで時間を確認すると六時半だった。本来ならまだ寝ている時間だけど、彼はもう起きているだろうか。気になって目が覚めた。寝室はもちろん別々なので、確かめようと部屋を出てリビングへ向かう。
ドアからそっと顔を覗かせてみたけれど、中は静まり返っていた。ホッ、まだみたい。
部屋の中の物は好きなように使っていいと言われたけれど、やっぱりまだ人の家感がすごくて躊躇してしまう。
グーッ。
わ、こんなときにお腹が鳴るなんて恥ずかしい。だけど、お腹空いた。
昨日も確認したはずの、食材が入っていない冷蔵庫の中身を再度確認する。
「やっぱりなにもないよね」
購入した皿や家電が届いておらず、まともなものを作れそうにない。いや、そもそも朝ご飯は食べるのか?
私はもちろん食べる派だけれど、昨日彼に確認するのを忘れていた。何時に起きて、どのタイミングで家を出るのか、生活リズムが一切わからないというのも困りもの。どうしてもっとちゃんと確認しなかったの、私のバカ。
とりあえず今日はお互いに出勤予定なので、しばらくすると起きてくるはずなんだけれど。マンションから病院までは徒歩で十分の距離。
最悪、起きてこなければギリギリで起こすしかない。
準備に時間がかかるので一旦部屋に戻って着替えとメイクを済ませた。