夫婦蜜夜〜エリート外科医の溺愛は揺るがない〜
「ぐ、そ、そうなのか。まぁ、これはこれで斬新な味でいいんじゃないか」
「え? 辛いのが好きなんですか?」
「嫌いじゃないが、まぁ、これはこれで味があって……うっ」
新さんはまだツラそうに顔をしかめている。もっとなにか言われると思っていたのに、私を労るような言葉に驚きを隠せない。
だけどかなり無理をさせてしまっているとわかるから、居たたまれなくなった。
「本当にすみませんでした」
新さんの手をギュッと握ってすがるように見上げた。目が合うと一瞬だけ驚いたような表情を見せたけれど、すぐにフッと微笑んでくれた。
まっすぐに私を見下ろす優しい瞳。
「気にするな」
私の手を上から包みこみ返し、さらには指先を絡めとられた。恋人繋ぎのようになり、一気に恥ずかしさがこみ上げる。
「で、でも……ピリピリしますよね……辛いですよね。私もすごくムセたし」
「たしかに、な」
ほら、やっぱり辛いんだ……。
斬新な味とか言って強がっちゃって。
「それなら甘くすればいいだけだ」
え?
疑問を感じたと同時に腰に腕を回され引き寄せられた。身体前面がピタッと密着し、しなやかな筋肉の感触が伝わってくる。うっとりするような肉体美と端整な顔立ち。
戸惑っていると顔が近づいてきた。