どうも、弟です。
1 見返してやる
「どうしてだと思う?」
今日も。いつもと同じような質問が私に投げかけられる。
クラスメイトたちがお弁当を食べながら、ざわざわおしゃべりを楽しんでいる中。
私とその質問を投げかけてきた友達は教室の隅っこの教室で一緒にお昼ご飯を食べている。
「どうして……って、仕方ないよ、そんなの」
そして、いつもと同じような答えを、彼女に返してやった。
私の答えを聞いた友達の川滝すみれは、ひとつ大きなため息をついて唐揚げをぱくりと食べる。
「だっておかしいと思わない?可愛い子とそうじゃない子の差が大きすぎるよこの世は」
肩につくか、つかないかくらいの黒髪を、そっと耳にかけるすみれ。
そしてそのまま隣の窓ガラスに目をやると、再び彼女はため息をついた。
「ひどい……こんな顔出せない……」
ぼそりとそう呟いて、耳にかけたばかりの髪の毛をそっと元に戻して下を向いてしまった。
「そんなことないよ、すみれ」
お母さんが作ってくれた甘い卵焼きをぱくりと食べる。
すみれは自分が言うほどひどい顔じゃないし、スタイルもすらっとしていて、私はかわいいと思う。
引っ込み思案で、恥ずかしがりで、自分に自信が無いんだ、すみれは。
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