どうも、弟です。

秋くんが申し訳なさそうに私にそう言って来るけど……。

雪くんに、「頑張ったね、お疲れ様」って言いたいし、伝えたいって思ってしまう。

それこそ、何か雪くんのお願いを聞いてあげたくなるくらいには……


『一花が、俺のこと好きになるとか、ど?』


「!!!!!?」


一週間前に、雪くんから言われた言葉を思い出して、一気に顔が熱くなる。


「い、一花!?」

「どうした一花ちゃん!? 顔から湯気出てるけど!?」


そ、そうだ私……

雪くんがこれで満点取ったら、雪くんのお願い……ひとつだけ聞くことになってるんだった…。

もしも満点だったら、私…雪くんのこと好きにならなきゃいけないのかな…!?

い、いやでも、さすがに、そんなんじゃ人の気持ちって変えられるものでもないし……!!


「い、いや、ごめん二人とも……何でもない…」


両手で自分の熱くなった頬を覆う。

あれから、雪くんは全く私に手を出してこなかった。

真剣に目の前の問題と向き合っていた。

だからこそ私も、集中して雪くんのサポートに徹することができたわけだし…。


「………」


今日の結果が、楽しみだけど…やっぱり緊張の方が勝つなあ……。


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