どうも、弟です。
目を閉じたまま、雪くんの背中に私の腕がそっと伸びた時だった。
―――バアンッ!!
「!!?」
なっなに!!?
大きな音と共に乱暴に開けられた部屋のドア。
「きゃあああっ!!?」
「うわっ!?」
驚きのあまり反射的に雪くんを突き飛ばしてしまった。
「雪!!! 俺社会11点だったぞすっげえだろ!!?」
部屋の入り口に仁王立ちして、右上に『11』という数字が大きく書かれた答案用紙を見せてきているのは……
ツンツンとした短い金髪で、目はつり上がっている…雪くんよりも少し身長が高い少年だった。
「あ、あれ……?」
私、この子と会ったことあったかな?
どこかで見たことあるような気がしてきたんだけど……?
「いってぇ……」
「はっ、ご、ごめん雪くん!! びっくりして、つい…!!」
どこかにぶつけてしまったのか、後頭部をさする雪くん。