どうも、弟です。
「……なあ、雪」
「ん?」
岩本くんは、おもむろに私を指差してきた。
「このキレイな人、お前の彼女か? 今回はずいぶんとまた清楚系だな、趣味変わったんか?」
「!!!?」
キレイって言った!!
今この人私のことキレイって言った!!
なんなの!? いい子すぎない!?
「いや、そんな…キレイだなんて……」
岩本くんの言葉が嬉しすぎたせいで、顔がにやけてしまって仕方がない。
これで私のことを二度もブスって言った雪くんも、これを機に見直してくれるんじゃない!?
得意げに雪くんを見ると、雪くんはなぜか引いたような表情で私を見ていた。
「ただのブスだよ、彼女なわけないじゃん」
「………!!」
さっきまで……ついさっきまで、雪くんのこと嫌いじゃないって思ってたけど……
私は、その場に立ち上がり、鞄を背負った。
「……一花?」
不思議そうに私の名前を呼んでくる雪くんを無視して、部屋を出る。