どうも、弟です。
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「雪、そんなにやばい点数だったんだ!?」
「うん、二週間なのにすごい成長だよね」
秋くんの言うとおり、近くに公園があった。
二人でそこのベンチに座って、雪くんの実力テストの話が始まってから数分経つ。
正直、雪くんの話は今はあまりしたくないのが本音だけど。
私に雪くんの家庭教師を頼んできた張本人のお兄ちゃんだから、やっぱり成績が気になっちゃうよね。
「……それで、話って…」
少し間が空いたところで、思い切って秋くんにその話題を振った。
秋くんの話がなんなのか、気になったのももちろんだけど…
雪くんの話を、これ以上したくなかった。
「ああ、えっと、その……」
「?」
秋くんは、一度大きく深呼吸をして、私の方に体を真っ直ぐ向けてきた。
つられて、私も秋くんを真っ直ぐ見る。
「やっぱり覚えてて欲しい……って言った時の話、覚えてる?」
「ああ、『雪くんがうらやましい』ってアレですか?」
「だから恥ずかしいから全部言わないで…」
秋くんが、顔を少し赤らめて視線を下げた。
照れてる…のかな?