どうも、弟です。

***

「雪、そんなにやばい点数だったんだ!?」

「うん、二週間なのにすごい成長だよね」


秋くんの言うとおり、近くに公園があった。

二人でそこのベンチに座って、雪くんの実力テストの話が始まってから数分経つ。

正直、雪くんの話は今はあまりしたくないのが本音だけど。

私に雪くんの家庭教師を頼んできた張本人のお兄ちゃんだから、やっぱり成績が気になっちゃうよね。


「……それで、話って…」


少し間が空いたところで、思い切って秋くんにその話題を振った。

秋くんの話がなんなのか、気になったのももちろんだけど…

雪くんの話を、これ以上したくなかった。


「ああ、えっと、その……」

「?」


秋くんは、一度大きく深呼吸をして、私の方に体を真っ直ぐ向けてきた。

つられて、私も秋くんを真っ直ぐ見る。


「やっぱり覚えてて欲しい……って言った時の話、覚えてる?」

「ああ、『雪くんがうらやましい』ってアレですか?」

「だから恥ずかしいから全部言わないで…」


秋くんが、顔を少し赤らめて視線を下げた。

照れてる…のかな?


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