どうも、弟です。
7 ミニカと呼びなさい!
― 雪side ―

「雪くん、今日こそ私の作ってきたお弁当食べてくれるよね!?」

「何言ってるの、今日は私のだよね!?」

「ねえ、雪く~ん!!」


昼休みになったと同時に、俺の席を囲んでくるクラスの女子達。

手には、色とりどりのおかずが詰まった弁当が。

毎日毎日、よく飽きずに作ってくるなあ。


「雪~!!ツラ貸せや!!」


物騒な言い方で教室に入ってきたのは、リュウだ。

隣のクラスのリュウは、こうしていつも昼休みになると俺に『ツラを貸せ』と教室に迎えに来る。


「じゃ、呼び出し喰らったから、ごめんねみんな。弁当、作ってきてくれてありがとう」


たぶん、一生食べることはないけどね。

なんて心の中で付け足してから、リュウの元へ向かう。


「雪!今日こそどっちが強いか決着つけようぜ!」


教室を出ると、リュウが肩をブンブン回しながら廊下で待機していた。

いやいや、確かに毎日のようにケンカしていた仲だけど、今はそんな気分じゃないのに。

わかれよ、なんて言っても無理なんだろうけどさ。


「はらへったから、むり~」


俺は、漢字に変換できないくらい力の抜けた声を出し、やる気満々のリュウの横を通り過ぎていった。


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