どうも、弟です。
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実力テストが終わったあの日、一花が俺の部屋を飛び出して行った後。
「雪、なんであんなキレイな姉ちゃんにブスって言ったんだよ、彼女じゃねーのかよ」
「……や、わかんない…」
自分でもわからない。
リュウに、彼女かと聞かれて、今まで感じたことがないくらい恥ずかしくなった。
一花が、秋のことが好きなのを知っていたから、リュウの言葉を俺より先に否定されるのも怖かった。
やばい。
今、一花泣いてた。
俺が、泣かせた。
なんであんなこと言ったんだろう。
なんで恥ずかしいって思ったんだろう。
なんで、否定されるのが怖かったんだろう。
この二週間、めちゃくちゃ勉強した。
人生初のペンだこができたことさえ、楽しく感じた。
頑張れば頑張るほど、一花は褒めてくれるし、笑ってくれるし。
満点ゲームとか、今考えると訳のわからん勝負も関係ないくらい、本気で満点目指して勉強してた。
満点取って、一花に頑張ったねって褒めてもらいたかった…のかもしれない。
「……っ、一花…」
こんなに余裕がなくなるなんて思っていなかった。
一人の女のことで、どうしてこんなに焦っているんだろう。
考えは何もまとまっていないけど、とにかく一花を追いかけないと。
リュウを置いて、俺は一花を追いかけた。