どうも、弟です。


「じゃあ、一花ちゃんは今日から俺の彼女…ってことでいい?」


追いかけた先の公園で。

抱き合う二人の姿と、聞き慣れた兄の声が聞こえて。


「…うん…っ」


秋の腕の中で、しっかりうなずいた一花は、泣きながら笑ってた。


「………」


息ができなくなりそうなくらい、喉も胸もぎゅっと何かに締め付けられたような感覚になる。

わかってたはずじゃん。

一花は秋が好きなんだって、俺の部屋に初めて来た日から、わかってたことじゃん。


秋の為に、キレイになろうとして。

最初はマジで気づかなかったくらい、キレイになった。


全部全部、秋の為に。


「……っ」


なんでみんな。

なんで、秋ばっかり……!!



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