どうも、弟です。

「これを機に、仲直りしたら？」

「……は？」


そこで初めて、俺は秋の顔を見た。

秋は、ちょっと焦げている焼きそばを、俺の分も一緒にテーブルに並べている。


「一花ちゃんと、付き合うことになったから」

「……っ、知ってる」

「えっ！？　何で！？」


鋭いのか、鈍感なのかわかんねえな、秋はほんと。

昔からずっとそうだった。

何も知らないはずなのに、肝心な所はいつも鋭く、変化球で俺の心に探りを入れてくるんだ。


「別に、なんでもない」

「なあ雪、俺たち兄弟なのに会話なさ過ぎるって。もっと話そうぜ？」


昼、なにも食べていない腹は正直で。

お世辞にも、美味そうには見えない焼きそばを頬張った。

……やっぱ焦げてる。


「何を、話そうって？　お前と一花の惚気の話？」

「だから、なんですぐそうケンカ腰になるんだよ、俺はただお前と仲良くなりたいだけで……」


出たよ。

何、いい人ヅラしてんだよ。