どうも、弟です。
― 一花side ―

秋くんの彼女になってから、早くも一か月が過ぎました。

あのあとすぐにすみれにも報告して、教室でもよく三人でいることが多くなって。

灰色だった中学校生活とは、比べものにならないくらい、今のスクールライフはキラキラと輝いたものになっていた。


そう、これだよこれ。

これで、私が高校デビューした目的は果たせた。

秋くんとも付き合うことができたおかげか、すみれ以外にも話をできる友達も何人かできた。


勉強の方も相変わらず順調だし、素敵な高校生活を送ることができている!


……だけど


こんなに充実した学校生活を送ることができているはずなのに、

どうしてか私の心の隅に、ぽっかりと穴が空いていた。


……あれから、雪くんとは一度も会っていない。


雪くん、今頃何してるかな。

せっかく勉強する習慣が身についたけど、もうやらなくなっちゃったかな。

……私のことなんて、忘れちゃったかな。


いつも、雪くんの事が頭をよぎる。

せっかく私の隣に秋くんがいてくれていても、どうしても雪くんの顔が浮かんでくる。


これじゃあ、さすがに罰が当たっちゃうよね…。




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