どうも、弟です。

「大丈夫、たまにこうなるから」

「え……?」


雪くんは私に微笑んでから、立ち上がってミニカちゃんの肩に手を置く。


「……ミニカ」


そして、さっきまで呼んでいた『森野』ではなく、『ミニカ』と呼ぶと。


「……!!」


ミニカちゃんはハッとした表情になり、みるみるツインテールが重力に従って垂れ下がっていく。

どうやら、落ち着いたようだ。


「疲れたろ、ちょっと休めよ」

「雪……うん…」


足下がふらつくミニカちゃんを優しく支えながら、二人は部屋を出た。

雪くんが、あんなに柔らかな表情で女の子に話しかけるなんて。


「………」


また、ズキンと胸が痛んだ。

おかしいな、私。

雪くんの行動に傷ついたり、ドキドキしたり……


なんでこんなに、年下の雪くんに振り回されてるんだろう。


< 144 / 265 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop