どうも、弟です。
「大丈夫、たまにこうなるから」
「え……?」
雪くんは私に微笑んでから、立ち上がってミニカちゃんの肩に手を置く。
「……ミニカ」
そして、さっきまで呼んでいた『森野』ではなく、『ミニカ』と呼ぶと。
「……!!」
ミニカちゃんはハッとした表情になり、みるみるツインテールが重力に従って垂れ下がっていく。
どうやら、落ち着いたようだ。
「疲れたろ、ちょっと休めよ」
「雪……うん…」
足下がふらつくミニカちゃんを優しく支えながら、二人は部屋を出た。
雪くんが、あんなに柔らかな表情で女の子に話しかけるなんて。
「………」
また、ズキンと胸が痛んだ。
おかしいな、私。
雪くんの行動に傷ついたり、ドキドキしたり……
なんでこんなに、年下の雪くんに振り回されてるんだろう。