どうも、弟です。

「ふう……一花、大丈夫だった?」

「あ、おかえりなさい」


ごちゃごちゃ考えているうちに、雪くんが戻ってきた。

ミニカちゃんの姿は……ない。


「あの、ミニカちゃんは…?」

「リビングにいた秋に任せてきた」

「そっか……」


秋くん、大丈夫かな。

ミニカちゃんって呼ばないといけないって事、ちゃんと教えてあげたのかな?


「秋なら大丈夫だよ」

「え」


私の心配を感じ取ったのか、雪くんがやっと説明してくれた。


「本名は森野(もりの) 悠希(ゆうき)。由来は知らないけどミニカって呼べってうるさいんだ」

「そ、そうなんだ……」

「小学校の頃に地方から引っ越してきて、ああやって俺にひっついてくるけど……そんだけ」


下を向いていた雪くんが、急に私を見て


「そんだけ、だから」


“あいつとは何もないから”

そう言われているような気がして、また体が一瞬にしてボッと火照る。


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