どうも、弟です。

「私、寂しくなっちゃって、今何してるんだろうとか、ちゃんと勉強してるかなとか、私のこと…思い出してくれてるかなって……そんなことばかり考えちゃって」

「……一花」

「大好きな秋くんと付き合ってからも、なんでか雪くんのことばっかり頭に浮かんできちゃうの、考えちゃうの……!!」

「………」


雪くんは、真っ直ぐ私を見て私の言葉一つ一つにしっかりと耳を傾けてくれた。

今更そんなに優しい表情されたって困るよ。

私の気持ち、ぐちゃぐちゃだよ……


「会えないと、雪くんのことばっかり考えちゃうの……こんなの困るの…!! だから、また雪くんの家庭教師として、定期的に会いに来たい……雪くんに会いたい…」


どんなにぐちゃぐちゃでも、まとまっていなくても、雪くんと仲直りしたいっていうのは間違いなく本当の私の気持ちだから

とにかくこれだけは伝わって欲しいって思って、雪くんの服の袖をぎゅっと握った。


「私と……仲直りしてください…」

「……もう、俺しゃべっていい?」

「え?……あ、ごめん、私ばっかり話してたね」


雪くんは、服の袖をぎゅっと握る私の手の上に自分の手をそっと重ねてくれた。


「俺の思ってることはさっき言ったつもり」

「さっき……って、あ……」


雪くんの言う『さっき』を思い出す。



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