どうも、弟です。
8 花火が終わるまで
「一花ちゃーん、お待たせ!!」
花火大会が行われる会場では、親子連れやカップル、友達など様々なグループの人々がぞくぞくと集まってきていた。
何人か浴衣を着ている人もいて、なんだかほっとする。
よかった、私だけじゃなかった!!って。
花火大会なんて、子供の時にお母さんとお父さんと来たきりで、タイミングも合わずにすみれとも来たことがない。
「秋くん、こんばんは」
なのに……まさかこうして秋くんと…好きな人と一緒に浴衣デートができるなんて……
人生、何が起きるかわからないよねほんとに。
「一花ちゃん、浴衣めっちゃ似合う、マジ、かわいい~……」
「えええ、秋くんそんなふうに言われると恥ずかしいよ…!!」
秋くんはだらしなく目を垂れさせて、全力で私の浴衣姿を褒めてくれた。
そう言う秋くんだって、身長が高いせいもあって浴衣姿めちゃくちゃかっこいい……!!
「秋くんまで浴衣着てきてくれるなんて、嬉しい…」
「いや、一花ちゃんが浴衣なら、もう俺も浴衣着て浴衣デートするしかないでしょ!」
「えへへ…ありがとう」
秋くんに今日の花火大会のチケットを渡したら、雪くんの言ったとおりすごく喜んでくれた。