どうも、弟です。
その笑顔を見て、ちょっとだけ胸が痛んだのはどうしてだったんだろう。
雪くん、浴衣着たら似合うだろうな。
本当に雪みたいに肌が白いから、濃い色だと映えそうだよね……。
って、また私雪くんのことばっかり考えてる!!!
「一花ちゃん?」
秋くんに名前を呼ばれて、はっとした。
いけないいけない。
私は秋くんの彼女なんだから。
ちゃんと…彼女しなくちゃだめだよ……私…
「手、繋ごう?」
「え…」
秋くんは私にそっと手を差し伸べてきた。
「普段と違う履き物だと歩きづらいだろうし、人も多くてはぐれたら大変だから、さ」
「……っ、う、うん…!!」
秋くんのその掌の上に、自分の手をそっと重ねた。
それを見て、優しく微笑んだ秋くんを見て、私も笑う。
「じゃ、行こうか」
「うん…!」