どうも、弟です。

花火が打ち上げられるまでまだ時間があるので

私たちは出店を見て回ることにした。


その間もずっと秋くんは私の手を離さないでいてくれたし

私が見たい出店には全部ついて来てくれた。

大好きなりんごあめも買えたし、あとは花火が打ち上げられるのを待つだけ。


「俺、一花ちゃんから今日の花火大会のチケットもらったとき、すげえ嬉しかった」

「え…?」


確かに秋くん、すごく喜んでくれてたもんね。


「俺も、一花ちゃんのこと誘いたかったから、まさか一花ちゃんから誘ってくれるなんて思わなくて……ほんと嬉しかった」

「……秋くん…」

「雪も無事に期末テストもクリアできて、友達とここに来てると思う」

「……」


秋くんから雪くんの名前を聞いたとき、思わず下を向いてしまう。

だめだな、これじゃあ雪くんのこと意識してるのバレバレだよ……。


……本当に、ダメだ。


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