どうも、弟です。
あんなに憧れて、あんなに見てきて、あんなに惹かれていたのに。
秋くんに優しくされる度に、切なくなって
秋くんと付き合うことができて、幸せで
それからの学校生活も充実してて、楽しくて
秋くんに私を見てもらえるのが
私を私として認識してもらえているのがどうしようもなく嬉しくて
なのに。
今の私は……今の私の方が、目の前の秋くんを見れてないじゃない……
これじゃ、だめだ……
「あ、の…秋くん……」
「一花ちゃん」
「っ」
「まだ、言わないで?」
「………」
私の思っていること、私の気持ち。
それはまだ、言わないでって、秋くんがそう言った。
そうだね。
二人で、花火を見てから……
それから、話そう。