どうも、弟です。

「あ!」


私たちの方に向かって歩いてくる集団のなかに、声の主はいた。

色とりどりの浴衣を身にまとい、精一杯オシャレをしてきたであろう女子中学生たち。

そしてそれを取り締まるかのように先頭を歩く三人組。

岩本くんと、ミニカちゃんと……


「……っ」


雪くん。


「またあんた? 悪いけど雪は私のだからね」


私の姿を見たミニカちゃんは、自慢げに雪くんの腕に自分の腕をまわした。

それを見た周りの女子達からは悲鳴が上がる。


「ずるい、ミニカちゃんそろそろ順番変わってよ~!!」

「そうだよ、ミニカちゃんばっかりずるい!!」


うわあ、わかっていたつもりだったけど、やっぱり雪くんて、モテモテなんだな……。


「お前ら俺は!? なんで雪だけなんだよ!?」

「黙れ30点男~!」


なるほど、この間ミニカちゃんが言っていた『30点男』って岩本くんのことだったのか……



< 157 / 265 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop