どうも、弟です。
「あ!」
私たちの方に向かって歩いてくる集団のなかに、声の主はいた。
色とりどりの浴衣を身にまとい、精一杯オシャレをしてきたであろう女子中学生たち。
そしてそれを取り締まるかのように先頭を歩く三人組。
岩本くんと、ミニカちゃんと……
「……っ」
雪くん。
「またあんた? 悪いけど雪は私のだからね」
私の姿を見たミニカちゃんは、自慢げに雪くんの腕に自分の腕をまわした。
それを見た周りの女子達からは悲鳴が上がる。
「ずるい、ミニカちゃんそろそろ順番変わってよ~!!」
「そうだよ、ミニカちゃんばっかりずるい!!」
うわあ、わかっていたつもりだったけど、やっぱり雪くんて、モテモテなんだな……。
「お前ら俺は!? なんで雪だけなんだよ!?」
「黙れ30点男~!」
なるほど、この間ミニカちゃんが言っていた『30点男』って岩本くんのことだったのか……