どうも、弟です。

「みんな、来てたんだ!」


私はなるべく大人っぽく見えるように、落ち着いた声を意識する。


って、これじゃあミニカちゃんたちと張り合ってるみたいじゃない…

これじゃあ大人っぽく見せるどころか、逆に子供みたい。

そもそもなんで張り合ってるんだろう、私……


「キレイな姉ちゃん、聞いてくれよ~」


岩本くんが、眉間にシワを寄せて私の元に寄ってくる。


「雪にな、今日の花火大会のチケット渡したのにこいつ『無くした』って言うんだぜ?」

「え……」


雪くんを見ると、ため息をついて岩本くんを睨んでいた。


「おい、そういうこと一花に言うなよバカっ」

「せっかく雪と二人で来ようとしてたのに、永遠フレンズからの贈り物を簡単に無くすなんてひでえよな一花~!」

「一花って呼ぶな30点男!!」

「30点じゃねーし!! 32点だし!!」

「同じだろ!!」


雪くんと岩本くんは、私の前でぎゃいぎゃいケンカを始めてしまった。

……それよりも、岩本くんが言ってたチケットってもしかして。


私と秋くんのために…くれたチケットのことだよね?


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