どうも、弟です。
2 どうも、弟です
「じゃあ、行ってきます!」
「行ってらっしゃい!気を付けてね~」
リビングから顔を覗かせてくるお母さんに手を振り、私は靴を履いて外に出た。
天気は、快晴だ。
「ん~っ、気持ちいい!!」
太陽の光をめいっぱい浴びるように、両手を伸ばして大きく空気を吸い込む。
「あ、一花おはよう!」
吸い込んだ息を今度はゆっくり吐き出していたとき、私の名前を呼ぶ声が聞こえた。
そこには、普段の制服とは違う制服を着ているすみれの姿が。
「うん、すみれはスタイルがいいから、やっぱり高校の制服も似合う!」
「ちょ、恥ずかしいからあんまり見ないでよ~…」
恥ずかしそうにスカートの裾を両手でぎゅっと握るすみれは、私なんかよりずっと女の子らしくて可愛い。
「一花だって、似合ってるよ?」
「え、そうかな?」
「うん、一緒の高校の制服が着られて嬉しい」
私の制服姿を見て、嬉しそうににっこり笑うすみれ。
しかし、その笑顔は徐々に引きつったものへと変わっていく。