どうも、弟です。
「ね、一花」
「…え?」
「中学の時に色々あったけどさ、結局好きな人の為に変わったよね」
「……うん」
空気みたいな存在の私が、私とは正反対の性格の秋くんに憧れ、好きになって
そんな秋くんが路地裏でケンカしているのを見つけて、『ブス』って言われて悔しくて
見返してやりたくて、キレイになるって決めた
実はそれは秋くんの弟だと知って、私は素直に秋くんを好きになって
秋くんが私を好きだと言ってくれて、奇跡みたいに嬉しくて、幸せで。
「あれだけ人見知りで空気同然だったのに、一花は秋くんのために全く別人みたいにキレイになって、外見だけじゃなくて性格もどんどん明るくなってさ」
「…うん」
「おまけに秋くんのハートも見事にゲットしちゃって、ほんとにすごいと思った。私には、一花みたいに外見すら変わる事なんて全然できなくて……」
中学最後のクリスマス。
すみれと高校デビューしようと約束したのに、すみれはスカート丈も髪型も何一つ変わっていない。
それなのに秋くんと一緒にいても気づいてもらえないのだから、
『やっぱり私たちは秋くんにとっては空気みたいな存在だったんだね』って最近二人で話して笑ってたっけ。
「一花は、ちゃんと自分を変える勇気ある女の子で、私の憧れだよ」
「え!?」
私が……すみれの憧れ??