どうも、弟です。
「っていうか、スカート短くない……?髪型も、前は一本結びだったのにふわふわパーマになってるし…なにより前髪がちょっと短くなった……」
「もう、何言ってるの。知ってるでしょ?」
何で私が、すみれと同じ白南風高校に入ることに決めたのか。
どうして、こんな格好をしているのか。
「月形くんを見返してやる…そのために可愛くなるって決めたんだから!」
ぎゅっと拳をにぎり、今までの努力を思い出し涙をこらえながら話す。
「そしたらすみれも、『私も一花を見習って自分を変えたい』って言ってたじゃない。……なのに」
私は、制服だけが変わって、スカート丈や髪型など他のことは今までと一切変わっていないすみれを、足下から頭のてっぺんまで舐めるように見る。
「いやっ、そんな目で見ないで一花っ」
「クリスマスのあの日……『一緒に高校デビューしようねっ』て言ってた中三の聖夜の誓いはどこに行ったのよ~!!」
「いっ一花だって、伊達眼鏡卒業できてないじゃない~!」
すみれの言葉に、ハッとした。
そうだ、中学校卒業と同時に、このメガネも卒業するって決めたはず……。
「こ、これは……学校に行ったら外すんだもん」
「本当~?」
「ほ、ほんと!」
顔をのぞき込んでくるすみれを余所に、学校へ向かって歩き出した。