どうも、弟です。
9 中途半端
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夏が終わり、秋が来た。
学校の中は、もうすぐ迎える文化祭の準備でみんな大忙しだ。
私たちのクラスは喫茶店をするので、統一した服を衣装係が作ってくれている。
それ以外は教室の装飾やポスター作り。
私は、衣装係に頼まれた生地や道具などを準備室から教室に向かって運んでいた。
「一花ちゃん、そんなに持って重いだろ? 手伝うよ!」
荷物の多さに廊下をヨロヨロと歩いている時、そんな声がしたと同時に一気に荷物が軽くなった。
「秋くん! 持ってくれるの? ありがとう、助かる~……」
「うん!どういたしまして」
秋くんとは夏休み明けからも普通に接することができている。
もう、彼氏彼女って言う関係じゃなくなっちゃったけど……
今でもいいお友達だし、すみれと三人でおしゃべりするのも変わらない。
「あ、ねえ一花ちゃん」
「え?」
秋くんが少し私の方に肩を寄せてきて、そっと小声で話しかけてきた。
「雪とはどうなってんの?」
「っ!!!?」
驚きすぎて、その場に持っていた生地をぶちまけてしまった!!